母乳のために実践したことが全部間違いだった!
1.初めての妊娠、出産、母乳育児
産院にて
「あなたは、小柄なので骨盤もたぶん狭いだろうから帝王切開になる可能性が高いよ」 と産院で言われたり、妊娠中期は切迫早産で1ヶ月入院したりと、修ちゃんがおなかにいる時は、出産のことばかり気になってました。
健康オタクだからか、何故か「私なら母乳出るわ。」と訳の分からない根拠のない自信があり、母乳育児出来るとばっかり思っていました。
いよいよ出産
結局予定日から2日後、吸引分娩ではありましたが、経膣分娩で無事修ちゃんを出産しました。
でも深夜の出産となったのでそそくさと看護師さんに新生児室に連れて行かれてしまい、
生まれたての我が子をしっかり抱くこともさせて貰えませんでした。
(注意:これは間違った指導です)
紗吉が出産した産院は母乳育児推進病院でした
産後3日間は母子別室体制をとっていて、授乳時間も定時で決まっていました。
最初の授乳は出産から9時間経った翌朝の回から
でした。
(注意:これは間違った指導です)
修ちゃんは 初めて母乳を貰うまでの間、哺乳瓶で糖水を与えられていました。 (注意:これは間違った指導です)
初めて、授乳室に出向き授乳した時
ほ乳瓶に慣れた修ちゃんはもう乳首を吸ってくれませんでした。
とにかく授乳したくても修ちゃんは吸ってくれない。
搾乳して哺乳瓶で飲ませるにしても 母乳は出ない。
授乳室では、授乳前と授乳後に体重を計測し、哺乳量をメモする行為がありました。
母乳の飲んだ量を計測するのが嫌で嫌で仕方なかったです。
もろちん毎回0g。増えるはずがありません。吸ってくれないからです。
結局看護師さんがミルクを作って飲ませる事になったのです。
修ちゃんはごくごくとよく飲みました。
「このまま母乳あげられないのかな」 と悲しい気持ちになりました。
完全に産後ブルーにはまったのです。
産後の入院期間中
産院は相部屋でした。同室に入院していた経産婦のママさんが
「母乳が出ないなら、 栄養のある物を食べればいいよ。母乳ジャンジャン出るよ」
と
教えてくれました。
(注意:これは間違った方法です)
もちろんその通りに実行した私のおっぱいはガチガチ、パンパンに腫れ乳腺炎の1歩手前になりました。
修也はそんなおっぱいを嫌がり、ミルクを飲むのです。
せめて初乳だけでもと、私は必死で
痛いおっぱいから搾乳器で母乳を搾り、
ほ乳瓶で与えました。 (注意:これは間違った方法です)
3日目以降の母子同室も昼間だけ。夜になれば赤ちゃんは新生児室で看護師さんがお世話。
その時間帯は
ほ乳瓶でミルクが与えられていました。(注意:これは間違った指導です)
夜、授乳しないのでスイカのように腫れ、眠れない。
あまりにも痛いので夜中新生児室に行き授乳を試みたときも、
すでにミルクを与えられた後で吸ってはくれませんでした。
そんなまま1週間が過ぎて退院日になりました。
自宅に帰ってから
退院後も
搾乳器で搾り、ほ乳瓶で与える方法を実施し、
足りてなさそうな時はミルクを追加しました。(注意:これは間違った方法です)
不安で仕方なく、産院では計測が嫌だったにもかかわらず、産院と同じ方法をしたくて
赤ちゃん用体重計のレンタルを夫に懇願しましたが断られました。
私はどうにかして直接吸って貰おうといろんな器具(乳頭保護器など)を購入したり、
電子レンジでチンしたタオルで胸を温めてみたりしました。
新生児訪問に来た大阪市の助産師さんにも母乳が出る方法のアドバイスを求めましたが
「餅とか鯉こくとか栄養のある食べ物が良いと昔から言いますよ」と教わりました。
産院で同室だった経産婦ママさんと同じアドバイスです。
母乳のためと思い、更に栄養のある物を大量にとり続けました。
その結果、産後3ヶ月の間に何度も乳腺炎になりました。
毎日悲しい気分でいっぱいでした。
修也を生んだのは11月。冬の寒い時期、バスに揺られて産院のマッサージに通い、
乳腺炎で腫れたおっぱいに痛いマッサージを受けました。
紗吉の実母からは「もう母乳なんかあげへんとミルクにしなさい」と言われ、
少しだけだったけど一応3ヶ月まで母乳をあげられたし、もういいのかなぁと迷っていました。
2.そんなとき出会った桶谷式母乳育児
桶谷式…。聞いたことのないと言う人が多いと思います。
「桶谷式」は桶谷そとみさんという助産婦さんが説いている母乳育児方法です。
授乳の間隔を3時間以上あけない
が基本になっています。(3時間おきに授乳すると言うことではありません。)
桶谷式と紗吉の出会いは、産後3ヶ月目の事でした。
両親が外食でもして気分変えたらと連れて行ってくれた「びっくりドンキー」。
その待ち時間を潰すために入った古本屋さんで出会ったのが桶谷式母乳育児の本でした。
古本価格で105円になっていたその本には目から鱗とはこのことだ!!!と言うことがいっぱい書かれてありました。
今までのことが全部くつがえされました。(
桶谷式の本について
)
質の良いお乳と悪いお乳
母乳には、
「質の良いお乳と悪いお乳があります」
と書いてあるのです。
「質の良いお乳と悪いお乳」なんて考えても見なかったことを突きつけられて衝撃を受けました。
そしてそれは母親が食べた物によって決まると。
私が母乳のために良いと思って実践していた事はすべて間違っていました。
桶谷式を実践出来るのか
本に書かれていることは、かなりの衝撃で納得できる内容でした。
でも私には桶谷式は実践しにくいと思いました。
だって母乳の質を悪くしやすい食べ物として、脂っこいもの×、甘い物×。
具体的に挙げると、
トンカツ、ビフテキ、すき焼き、焼き肉、ハム、 天ぷら
もち類、洋菓子(ショートケーキなど)和菓子、ようかん
高カロリーになりやすい魚(主に青魚)さんま、ぶり、うなぎ、まぐろ、さば、あじ、かつお、鮭
母乳の質に影響して、赤ちゃんに湿疹などが出来たりするのだそうです。
みんな私の大好物。
実際3ヶ月の修ちゃんはベビーのつるつるお肌ではなく ブツブツだらけでした。
桶谷式を完璧に出来れば一番良いけど、
あまりにもその事にこだわりすぎると イライラして精神的にも参ってしまいそうなので、
紗吉はできそうな範囲だけでも桶谷式をつまみ食いしようと決めたわけです。
そうなのです!私が実践したのは
桶谷式母乳育児をできそうな範囲でつまみ食いした紗吉式
なのです。
だから桶谷式を知って実践している途中にも誘惑に負けてお肉を食べて乳腺炎になったり、
白斑(はくはん)にもなったりとトラブルは度々ありました。
完璧を目指すべきか
完璧に桶谷式を実践されている方もいるでしょう。それが理想だとは思いますが
100人中100人みんながみんな出来ることではないと思います。だって食べ物の誘惑って多いよ。
昔から「
食べ物の恨み
は怖い」って、よく言いますよね。
少しずつ出来る範囲から実践すればいいのです。
もちろん完璧に実践したときの効果には届かないでしょうが
母乳に悪いことを知っているのと知らないのでは全然違います。
この育児方法と出会えたことを有り難く思っています。
フォーローする訳じゃないけれど、どんな良い方法でも、それ自体が重荷になって、
自分を責める材料にしてしまっては、やらない方がましだと思います。
柔軟さとでも言うべきかな?(都合よすぎ?)
何が目的なのか、見失わない。
お母さんが向き合うべき相手は母乳の質ではなくて、あなたの赤ちゃんなのです。
もちろん質の良い美味しい母乳を飲ませてあげられたら最高でしょうが
それが100点満点として75点の母乳ではダメなのでしょうか?
50点なら半分間違い?30点なら赤点?そんなことは無いはずです。
重荷になって余計なストレスがますます母乳を出なくさせてしまうでしょう。
いきなり100点満点を望まなくても良いのです。
出来ることから実践されたらいいと思います。
元気な子供に育てたいと母親ならみんな願ってると思います。
赤ちゃんが元気に育てばいいです。それ以上のことはないです。
3.従来の母乳育児との違い
授乳の間隔を3時間以上あけない
授乳の間隔を3時間以上あけない。夜間授乳も断乳するまで続ける事
これが一番の違いです。おっぱいの中に3時間以上母乳が溜まると
"たまり乳"
といって母乳は質が悪くなり母乳の出が悪くなってくるのだそうです。
乳腺炎にもなりやすくいろんなトラブルも発生します。
脂肪分が多くなった質のよくない母乳を飲んだ赤ちゃんは消化不良を起こしたようになり、
赤ちゃんのお腹に長い間母乳が溜まっているので、長時間寝るようになります。
特にママが油っぽい物を食べるとその傾向が強くなります。
ごちそうを食べると
ママが夜ご飯に高カロリーのごちそうを食べると
赤ちゃんは夜中起きなくなります。
すると「いい子やなぁ。夜寝るようになったの」と誉められます。
寝る子は育つと言うぐらいですからね。
どの育児書にも夜は飲ませない。夜寝る子は良い。と書いてあるし
医者もそう言うのです。 母乳は6ヶ月過ぎると薄くなって栄養が無くなるから
あげなくてもいいとか、ホンマ いろんな情報で溢れています。
(6ヶ月過ぎても薄くなったり栄養が無くなったりはしません。)
どれを信じ実行するかはママが決め、自信を持って赤ちゃんを育てて下さい。
紗吉は桶谷式母乳育児を信じています。 結果的に母乳だけになり、
息子の修也もアトピーが改善され、断乳した1歳6ヶ月まで桶谷式で育てました。
3時間以内に授乳し、ママは食べ物に気を付ける。
そうすればおっぱいの質は落ちません。
おいしい栄養のある母乳を一人歩きが上手に出来るまであげて下さい。
4.母乳育児に必要なことは
母乳育児を成功させるための10ヶ条
1.母乳育児の方針を全ての医療に関わっている人に、常に知らせること
2.全ての医療従事者に母乳育児をするために必要な知識と技術を教えること
3.全ての妊婦に母乳育児の良い点とその方法を良く知らせること
4.母親が分娩後、30分以内に母乳を飲ませられるように援助すること
5.母親に授乳の指導を十分にし、もし、赤ちゃんから離れることがあっても母乳の分泌を維持する方法を教えてあげること
6.医学的な必要がないのに母乳以外のもの、水分、糖水、人工乳を与えないこと
7.母子同室にすること。赤ちゃんと母親が一日中24時間、一緒にいられるようにすること
8.赤ちゃんが欲しがるときに、欲しがるままの授乳を進めること
9.母乳を飲んでいる赤ちゃんにゴムの乳首やおしゃぶりを与えないこと
10.母乳育児のための支援グループを作って援助し、退院する母親に、このようなグループを紹介すること
上記はユニセフ・WHOによる共同声明です。
これを守れていない産院がどれ程多いことか。
私が修也を産んだ際の状況と、この10ヶ条の声明を比べてみるとひどさが分かります。
4.の分娩後、30分以内に母乳を飲ませられるようには全然
初めての授乳は翌日だったのです。
5.の母親に授乳の指導を十分にも抱き方も乳首の吸わせ方も教えて貰えませんでした。
ただ授乳前と授乳後に体重を計測して飲んだ母乳量をノートに記載するようにとだけ指導されたのです。
0gという羅列ばかりが続きました。
6.の母乳以外のもの、水分、糖水、人工乳を与えないことと
9.の母乳を飲んでいる赤ちゃんにゴムの乳首やおしゃぶりを与えないは
産後入院期間中、哺乳瓶を使ってじゃんじゃん糖水もミルクも与えられました。
7.の母子同室にすること。赤ちゃんと母親が一日中24時間、一緒にいられるようにすることは
産後3日目まで母子別室でしたし、3日目以降も夜は新生児室に預ける事になっていました。
8.の赤ちゃんが欲しがるときに、欲しがるままの授乳を進めることは
授乳の時間は産後3日間はスケジュールで完全に管理されていました。
10.の母乳育児のための支援グループなんて有るはずもないです。
母乳育児推進病院と言っている病院ですらこの状況だったのです。
母乳で育てたいと考え、いろんな努力をしている
そんな新米ママに対して周りにいる人達がサポートしてくれなかったり、
居てても足を引っ張るような事を
言ってみたり、気配りがたりなかったり……そんなんだったら。
母乳はすぐに影響を受けて出なくなってしまいます。
出なくなったママに追い打ちをかけるように
「おっぱい出てないの?」 「足りてないならミルクあげたらいいやんか」 …
家ではママとして妻としていろんな仕事があります。
どんなに妊娠中から母乳で育てたいと決心していても
赤ちゃんが1~3ヶ月頃までは育児に振り回されて混乱します。
そんなときいろんな人から無責任な事をごちゃごちゃと言われたら、
どうして良いか分からなくなります。
そんなとき赤ちゃんのパパつまり夫の協力が大事です。
ちょっとぐらい部屋がちらかっていようが おかずの品数が少なかろうが
文句を言わないであげて。パパが仕事で疲れて帰ってきてることは知ってます。
でもママだって大変です。
自分の赤ちゃんでも言葉は通じないし、理解してくれない。
そんなジレンマが育児のつらさとなるのです。
ママに何か1つでも協力してあげて欲しいのです。
紗吉の夫はその点すごく育児に参加してくれて助かっています。
オムツを替えてくれたり、紗吉が疲れて台所をそのままにして寝てしまったら
後かたづけしてくれることもしばしばです。 大変有り難く思っています。
どんな育児方法であっても母乳育児は軌道に乗るまでが大変です。
違いはありません。
それまではどうか周りの人達はママがやっていこうと決めた母乳育児を
理解してあげて欲しいのです。
新米ママさんへ
生まれたては「母乳が足りないのでは?」と言われ
母乳が充分出るようになれば「母乳だけじゃ栄養が足りない」と言われ
1歳過ぎれば「いつまでもあげてると甘えたになる」と言われる。
母乳育児中はどんなときも言われるからもう聞き流す。
そういう耳も必要になってくるでしょう。母は強しです。プレッシャーに負けないで!
ママの周りにいる方へ
無責任な事をごちゃごちゃ言うのだけは止めてあげて下さい。
決して他の赤ちゃんと比べたり、赤ちゃんの為と言い
お母さんを否定するような事は言わないでください。紗吉から宜しく申し上げます。